年末年始に酒浸りになった上、年明け早々新年会続き。そろそろ身体に蓄積されたアルコール分を抜きたくなるころかもしれません。


●石原壮一郎●
言わずと知れた“大人力”の大家。『 大人力検定DX 』(文春文庫PLUS)『 30女という病 』(講談社)ほか著書多数。新刊『 大人の合コン力検定 』(ソフトバンク クリエイティブ)


■ビジネスマン危機一髪!! 石原壮一郎の「大人の切り抜け力」第40回■
「正月からの酒がいつまでも抜けないときの切り抜け力」



これ以上何も入らないくらい水を飲む

「なぜ身体から酒が抜けない(ような)気がするのか」。こんな素朴な疑問を抱いたときには、その謎の原点に立ち帰ることがもっとも簡単な解決法です。しかし、正月以来飲酒が習慣になってしまっていたり、ついつい誘いに負けてしまうなど、自らの意志だけではなかなか断ち切りづらいという面もあります。ならば、いっそのことお腹をアルコール以外のもので、物理的に満タンにしてしまうというのもひとつの手段です。もっとも手軽なのは間違いなく水。「もう飲めない」となる限界まで、水を詰め込んでおきましょう。少しでもお腹にゆとりができたら、その分水を補填する。この状態で丸一日過ごせば、「酒が残っているような」感覚などたちどころに吹き飛んでしまうでしょう。もっとも、丸一日水を飲み続けるというのは、ある種の荒行と言えるのかもしれませんが。




起き抜けに一人で朝礼を行う

「病は気から」という言葉もあります。体内から酒が抜けないような気がするのであれば、まずはその「気」を強引に変えてしまうという手もあります。もちろん「強引に」というくらいですから、普段やっているようなことでは変わりません。例えば、一昔前の日本の企業はどこでも朝礼をやっていました。いい大人が朝から「おはようございます!」、「お世話になっております」、「ありがとうございます」などと大声を出して、唱和する様は端から見ると滑稽かもしれませんが、気分を仕事モードに変える効果はあったはずです。起き抜けに、自分のなかに漂う気恥ずかしさを吹き飛ばすほどの元気で朝礼をすれば、たちどころに、気分も変わるに違いありません。




暗くなったら寝る

昨今の市況からか、昔ながらの日本人の生活が見直されることが多くなったような気がします。どうしても「酒が抜けない気がする」のであれば、「暗くなったら寝る」という、昔ながらの生活を体験してみるのも一案かもしれません。まさか会社が始まっているのに、昼から飲むような豪傑なら、こんなことに気を揉むこともないでしょうから、明るくなったら起き、暗くなったら寝てしまえば、自然と身体から酒は抜けていくはずです。会社の上司を説得するのが大変かもしれませんが、「7時に出社します」と言えば先進的な上司であれば認めてくれる可能性もあります。冗談半分でこの項目を書き始めてみましたが、案外、本当にいい案かもしれません。




鏡の中の自分を見つめる

誰しも現実を直視するのはつらいものです。とりわけ調子の悪いときの自分の姿と対峙するというのは、非常に厳しいものがあります。しかし、正しく現状を把握するには、どんなにつらくとも、そこにある現実に立ち向かうしかありません。年末に始まり、もう何週間も飲み続け、疲れた自分の顔つきを見て、「この顔つきはヤバイ……」と心の底から絶望することでこそ、その後立ち上がれる気力が培われるというものです。




酒を飲み続ける

細かいことを気にせず、飲み続けるのも、ひとつの手かもしれません。中途半端に飲むからこそ、酒も抜けない上、自らの身体に不安を抱いてしまうのです。一生のうち一度くらい飲み続ける年があってもいいような気もしますし、常人であればその前に本気で酒を見るのもイヤになる瞬間がやってくるでしょう。課題があるとすれば、そのときにきちんとやめられるかどうか。失敗すれば、健康被害を伴うリスキーな作戦であることだけは、肝に銘じておきましょう。




×NG――Out of Ranking 仲間とスポーツに興じる

一見、非常にさわやかで健康にも良さそうに見えますが、とりわけ男性がこうしたケースに直面したとき、同性の友人とスポーツを行うのは愚の骨頂に他なりません。最近の集団スポーツというと、ゴルフ、野球、フットサルなどは、いずれも大変に心地良い汗を流すことができますし、そのこと自体はむしろ前日の酒を抜く効果すら期待できるかもしれません。ただし、こうしたスポーツは終了後、必ずといっていいほどビールを飲みに連れて行かれてしまいます。もしかすると、自ら積極的に「ビール飲みてー」と口走ってしまうかもしれません。間違っても趣味の集団スポーツに、「断酒できるかも」という期待など抱いてはなりません。


イラストレーション:●日辻彩(Aya Hitsuji)


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