ランキースへの登場は3回目の、 Riddim Saunter の古川太一さん。今回のテーマは、なんと列車の「椅子=シート」! 普段何気なく座っているけれど、そこには鉄道マニアをとりこにする様々なこだわりがあるのだとか。そんな“シート”の魅力について、古川さんに熱く語ってもらった。●イラストレーション:古川太一、文:加賀谷優子(ランキース)


●古川太一(ふるかわたいち)●
男子5人組バンド「 Riddim Saunter (リディム・サウンター)」でドラムスを担当。アルバムジャケットなどのアートワークを手がけ、DJとしても活動するなど、マルチな才能を光らせている。1/17には代官山UNITでライブを行う。



今回のテーマは列車のシートということですが……

「日本国内を走る列車には、様々な種類のシートがついています。どんなシートに座るのかが、列車に乗るときの楽しみのひとつなんです。モケット(シートの布地)の種類やリクライニングの角度、形式など、列車のシートには独自の美学があります。だから列車のシートが大好きなんです!」

いままでそれほど注目していなかっただけに、そう言われるとすごく気になってしまいます! いったいどんなシートがあるんでしょうか!?



■これに座って旅をしたい、最高のシートBEST5!!■



183系R51シート


「JR北海道では、183系の車両をいろいろな形に改造し、それをシャッフルして運用している時期がありました。その当時、グレードアップされた車両と、そうでない旧型車両が、1つの編成にランダムに連結されていることが多々あったのです。せっかく指定席を取ったのに旧型のシートの車両が来た時は、残念感や虚無感に襲われました。それほどのトラウマを鉄道ファンに与えた伝説のシートが、183系R51の簡易リクライニングシート。大人になった僕はこのシートさえ笑ってしまえる余裕が出ました。リクライニングすると座面が前に出る仕様になっています」





715系、419系寝台特急改造シート


「シート好きには伝説のシートとなっているのが、583系を改造した715系、419系のクロスシートです。なんと、寝台の特急列車が普通列車に改造されて走っているのです! クロスシートというのは、レールに対し直角に配置されたシートのこと。ですが、普通列車に特急用シートを付けただけという簡単な話ではなく、寝台車両が通勤型になった事に意味があるのです。乗ったことのある人ならわかるであろう、その不自然さ。天井は異常に高く、ロングシート(レールに対して平行のシート)の割合も非対称。すべてが意味不明なバランス。でも乗り心地は最高! 昔、東北本線で寝台にしてみたくて何度も試してみた事がありますが無理でした。クラシック決定のシートでしょう」





14系あかつきレガートシート用リクライニングシート


「寝台列車のあかつきに突如登場した異様な車両、それがレガートシートです。“レガートシートとはなんぞや?” という方に説明しますと、深夜バスに対抗するために登場した、寝台料金なしで乗れる座席車両なのですが……まず見た目がおかしすぎる!!!! いきなりハデハデ全塗装の14系の客車(寝台車と天井の高さが違う)、それも中間車両を思いっきり切った切妻型の恐ろしい顔。そんな車両が最後尾に連結された姿を見た僕は、恐ろしさのあまり声を失いました。室内に装備されるのは、好きな角度で自由に固定できるフリーストップ・リクライニングシート。そしてシートと窓との割合は完全無視。この何とも言えない雰囲気にやられてしまったのです。僕は、シートは座り心地よりも角度が重要だ!と思っています」





253系NE'X COMPIN社製シート


「1987年に国鉄からJRになり、世界を視野に入れた特急をつくろうとする動きの中で登場したのが253系。成田空港までのアクセス専用車ということで、幼いころに見たとき、“なんか外国っぽいな”と思った記憶があります。そのNE'Xの普通車のシートは、フランスのCOMPIN社製なのです。同時期に登場した251系スーパービュー踊り子号にも、展望席にはCOMPIN社製のシートが採用されていました。あのころの車内の構成は、今では考えれないほどカラフルで、謎のシートもたくさんあり、楽しかったです。しかし、このシートにはリクライニングがついていないのです。なんでだ? 今考えても謎! COMPIN社のシートを使ってヨーロッパの車両を意識してみたのでしょうか? そうだったらちょっとかわいいなと思います」





883系SONIC 1次車シート


「僕が日本を走る列車の中で一番かっこいいと思っているシートは、ドーンデザイン研究所の 水戸岡鋭治 氏がデザインしたSONIC883系の1次車(最初に作られた車両)シート。あ・り・え・な・い!! 最高すぎるデザインです! このかっこよさに、子どもは素直に喜ぶ! そこが一番大事! そしてこのデザインを採用したJR九州にリスペクト! 素晴らしいです。日本でも、こんなシートを乗せた車両がもっとたくさん走れば、鉄道シーンがもっと盛り上がるのではないのでしょうか? 2次車以降の落ち着いたシートはSONICぽく無くて非常に納得いきません」




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