
そこそこの年齢になってから、一人で過ごすとなると悟りを開きたいような、それも男として寂しいような、微妙な心持ちになってしまうかもしれません。
●石原壮一郎●
言わずと知れた“大人力”の大家。『
大人力検定DX
』(文春文庫PLUS)『
30女という病
』(講談社)ほか著書多数。最新刊は監修を務めた『
笑われ力
』(ポプラ社)。笑われる門には福来る!
■ビジネスマン危機一髪!! 石原壮一郎の「大人の切り抜け力」第38回■
「一人で過ごすクリスマスをどうにかやり過ごす切り抜け力」
新年に向けて、年賀状を片づける
郵便屋さんからは「24日に書くなんて遅いっ!」と叱られたり、鬼からは笑われたりしそうですが、せっかくの空いた時間は有効活用したいもの。この機会に年内に済ませておきたい機械的な作業を済ませておきましょう。とりわけ年賀状のような、付き合いがそれほど濃くない方に送る場合には「クリスマス・イブにこの賀状をしたためております」と一言添えるだけで、相手の脳裏にあなたの名前がすり込まれるに違いありません。ある種の自虐ネタとも言えますが、これくらいの気概があってこそ、目上の人からかわいがられるビジネスマンたり得るのです。
一人で何役もこなしてみる
どうしてもクリスマスムードに乗って、雰囲気を強引に味わいたければ、一人で盛り上がってみるという芸にトライしてみるのも一興です。ただし、寂しくなって途中で止めたりしてはなりません。一人でホストからゲストに至るまで、役の男女を問わず演じきるのです。ここで大切なのはテンションを上げて、最後までやりきること。その後、寂しくなってもまったく気にすることはありません。祭りの後の寂しさというものは、一人だろうと二人だろうと必ずやってくるものなのです。
無為に思える作業や遊びに没頭してみる
どうしても寂しさに押しつぶされそうならば、普段は「時間の無駄である」と切り捨ててしまっている作業や遊びに没頭してみましょう。ゲームやパズル、プラモデル作りなど、没頭する対象は何でも構いません。今まで無為だと思っていたものに、実際に手をつけてみることで、万が一新しい世界が開くようなことがあれば儲けモノ。「2008年の12月24日は、人生を変えた一日だった」という、人生にとっての記念日になるかもしれません。もし「やはり時間の無駄である」という結論に達しても悲観することはありません。そうした結論にたどり着いたことこそが、明日への、そして来年への糧となるのです。
2008年12月24日という日の裏側を記録する
国中を巻き込むようなイベントがある日の情報というものは、後々とかく不足しがちなものです。報道機関ですらも「クリスマス」に巻き込まれるため、巻き込まれなかった人の情報は実に貴重なのです。せっかくですから、ひたすらクリスマスとは関係ない情報ばかりを拾い集めておきましょう。クリスマスとはまったく関係なさそうな街に出てみたり、視聴率が厳しそうなテレビ番組を事細かにチェックしてみたり。クセになって来年以降も行うことになれば、新しいライフワークが増えるというメリットもあります。
ただ時が過ぎ去るのを待つ
いろいろあがいた経験がおありの方ならおわかりでしょうが、満たされた人は他人の行動にあまり興味を持ちません。ましてやクリスマス・イブのように、個人的イベントの集合体となってしまった“祭り”に取り残されたところで、どうってことはありません。野球のWBCやサッカーW杯の日本代表戦を見逃した翌日のように、会話の輪に入りづらいということもないでしょう。これから経験値を積んでいくような若い方は、「ただ時間が過ぎ去るのを待つ」というと、かなりの苦行を予想されるかもしれませんが、自分の時間だけを止めるなら、自室で泥酔して寝てしまえばいいのです。下戸の方も、どうしてもツライようならこの日だけは部屋でコップに半分だけビールを飲んでみる。するとあら不思議。ツライはずの記憶は、翌朝には頭痛にすり替えられていることでしょう。
×NG――Out of Ranking 知り合いに片っ端から電話してみる
この日に無理をしてでも予定を入れようという人は、男性でも毎年一定数存在します。もし本当に予定を入れている人に電話を掛けてしまうと迷惑になるだけでなく、「イブのクセに予定もないのか」と言われてしまいそうです。予定が入れられなかった人の場合は、さらにややこしいことになります。普段は友人とも思っていない相手から「おお。同志よ!」とカンチガイされるのも凹みそうですし、見栄っ張りな友人に当たると「これから、予定がある」とホラを吹かれた揚げ句、「あいつ、ヒマだったみたいで、イブの晩に電話かけてくるんだよ。まったく空気を読んでほしいもんだ」などと、あることないこと吹聴される可能性すらあります。ビジネスマンたるもの、動かない方がいいときもあるということを学んでおきたいものです。
イラストレーション:日辻彩(Aya Hitsuji)
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